介護士が担当の利用者に適切にサービスを提供するには、日ごろから同僚の介護士だけでなく医師や看護師などの医療スタッフや生活相談員などとこまめに情報共有をすることが大切だ。また、ケアマネジャーに指示を受けたり、利用者本人や家族に話を聞いたりして、一人ひとりの利用者にとって最善のケアを実践することも必要。介護士の資質向上に力を入れている事業所のなかには、それぞれの介護士が仕事のコツを掴むことができるよう、業務研修や勉強会、ミーティングなどを取り入れているところも多い。
介護士のスキルアップにつながる研修の実施状況は事業所ごとにバラつきがあるが、長く介護業界で働きたい人は新人だけでなく、中堅やベテランに対しても充実した研修を行っている事業所を勤務先に決めると良い。介護士が日々の業務のなかでスムーズに食事や入浴、排せつなど、様々な場面で身体介護をスムーズにこなすには、ある程度の経験が必要だ。なお、介護現場のリーダーとして活躍したい人や、年収アップを目指している人は、職場で研修を受けるだけでなく、仕事の合間を縫って介護福祉士をはじめとした資格試験の勉強をするのも有効だろう。多くの介護福祉士の資格を持つスタッフが在籍している事業所のなかには、資格試験を受けるスタッフに対する経済的な援助を行っているところもある。そのため、資格の取得に興味がある場合には、採用面接の際に試験を受けるために必要な実務経験や勉強方法について、担当者とよく話をしなければならない。